2015年11月25日水曜日

売りさばく


Twitterに書こうと思ったけど,ちと長くなったのでこちらに。収入印紙が必要になって,郵便局以外でどこで売ってるかしらべてみたら「収入印紙売りさばき所」と書いてあった。なんかファンキーな名前だなあ,と思ってさらに調べると,「郵便切手類販売所等に関する法律」とか「郵便切手類販売所等に関する省令」の記述がことごとく「売りさばく」になっている,「売る」だけじゃだめなんだろうか?

さらに法律・省令を詳細に読んでみると(ひま人だな)切手は「販売」で印紙は「売りさばく」と使い分けてるように見える。なにか深いわけがあるのだろうか? たとえば上にリンクした郵便切手類販売所等に関する省令」の二条では以下のようになっている。
法第二条及び第十条の規定による郵便切手類を販売し、及び印紙を売りさばく者(以下「郵便切手類販売者」という。)及び印紙の売りさばき人(以下「販売者等」と総称する。)の選定及び郵便切手類の販売又は印紙の売りさばきに関する業務の委託並びに法第十一条及び第十二条の規定による郵便切手類又は印紙の売さばきに関する契約の解除に関する事務は、(以下略)
この文章は悪文の典型のようだが(法律関係だとこういうのがスタイル?)とくに前半が強力にわかりにくい。「印紙を売りさばく者及び印紙の売りさばき人」? で,解読してみると,多分,「“郵便切手類を販売し、及び印紙を売りさばく”者 及び “印紙の売りさばき人”」となるのであろうか,と思う(なんかコンピュータープログラムのスコープルール解析みたいなのが必要だな)。
つまり,郵便切手を含む場合は「販売及び売りさばき」をするのでその行為をする「者」として記述している。それに対して印紙の場合は「売りさばく」に限定されるので「売りさばき人」と名詞化しているのではなかろうか? 

うーむ。で,「売りさばく」で検索してみると,「売り捌く  転売する  たたき売る  投げ売りする  売り飛ばす」が同義語だったりして,なんか「オラオラオラオラー!! はよ買ったらんかい,ワレ!」って売るイメージ。収入印紙にはそぐわない。さらに発見したのは「売りさばく」じゃなくて「売りさばき」で検索すると,なんと,印紙関係のページしか上位にヒットしない。われわれ平均的日本人が思っている「売りさばく」とは別の「売りさばき」が,実は総務省をバックとする一部勢力のあいだで浸透しているのか? だれか舞台裏知りませんか?